広島市の土砂災害の復興に思う!

DSC_8264昨日は、広島市安佐南区の区役所の建築課に『被災住宅及び建築物復旧等のに関する相談窓口』に相談に来られた方の中で、現地の調査を依頼された方の所に相談員として池芳工務店の池田会長と私とで訪問してきました。

 

今回は広島県工務店協会に相談員として依頼があり、その対応として窓口と現地調査に分かれて対応しています。事前に少し復興に対する役所の対応について勉強をして臨みました。

 

平成26年8月19日からの豪雨災害の被災者に対する生活上の支援 としてり災証明や見舞金支給や融資や仮住まいの事だなど沢山の事が決められています。昨日私が書いているような床下浸水で、床下に土砂が流入した住宅は多いのですが、見舞金はまったくありません、床上浸水で広島市の災害見舞金5万円程度になります。

 

ボランティアの方に泥出ししてもらったり、カビの生えないように対策したり、家を洗ったりと多くの元の家の状態にするには、費用も掛かりますが、自分のお金で復旧することになります。又全壊の場合では広島市から30万円 広島県から30万円の見舞金が併せて支給されるなどの制度があります。

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今回多くの家の床下には、粘土のような土砂が流入していますが、それをそのまま放置しておくと、写真のように2週間で、床下の合板は水分を吸って黒くなっています。良く見ると畳の重なりの部分にカビが生えてきていました。

床下に侵入している土砂は、取り除く必要があり、床上浸水をしている場合は、水道の水でその土砂を洗い流すことが必要になります。

こちらの被災者の方は、畳の二部屋の和室のみ床をやり替えましたが他の洋室はそのままにされます。床下には扇風機を4台設置していますが、それでカビの発生が防げれば良いのですが、これからが心配です。

 

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八木3丁目の上の段に訪問しましたが、写真の道路には土砂がすごい勢いで流れて、その土砂と一緒に木が立ったまま流れて電線をバチバチと火花をあげながらちぎれて行ったそうです。その時には地震のように家が大きく揺れて、窓が割れて土砂が家の中に侵入してきたそうです。その時はもうだめだと思ったそうです。

道路を挟んで多くの家が倒壊していました。全壊の家はすでに解体工事が始まっていますが、半壊やそれ以下の損害の家は、ご自分の負担で修理するようになります。

実際の復興はこれからです。

 

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これまでの復興では、消防 警察 機動隊 自衛隊 そして多くのボランティアの方々の人力を持って進めてこられましたが、これからが本当の正念場だと思います。

 

ボランティアの方も9月一杯だと聞きました。後一名の行方不明者早く見つかればよいのですが、その方が見つかれば、これまでの消防 警察 機動隊 自衛隊の方々はこの広島には残らないでしょう。

 

私が、今日現場調査に行ってこれからの復興に思ったことは、自分が毎日暮らす家は、とても大切なものだと再認識しました。どなたも早く今までの生活に戻りたいと強く念願されています。床下に土砂が流入して、床下をはがして土砂をボランティアの方に取り除いてもらった方もとても多くおられることがわかりました。又雨水の排水枡が土砂で詰まっていて機能していなくて、又再び床下に水が侵入するという防ぎようのない状況にある方も多いと思います。

床下に侵入した土砂は、一度取り除いて、出来れば木部は水洗いして、そののちにカビ対策をすることが必要です。それを怠ると、来年までに床下にはびっちりとカビが生えて、そのうち床が抜けたり、シロアリや腐朽菌を呼び込んで家が腐ってしまいます。まずは、床下の状況が見えて点検できるように工夫することはとても大切です。

私の場合はとりあえずのカビ対策は、アルコールによる消毒か、ピューラックを5倍に薄めた少し強力な次亜塩素酸ナトリームによる一時的なカビ止め、その後に、カビの発生が見られるようであれば、専門業者による永続性のあるカビ処理を行います。

通風や薬剤によるカビ対策必要になります。今多くの被災された住まいで見える場所での復旧は進んでいるとは思いますが、見えにくい床下、下水や雨水の排水の整備をきっちりとすること、又給水も砂が混ざり器具を壊す場合もあるのでストレーナーのクリーニングなども行う必要があります。

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災害の復興は、見えない床下と見えない排水管そして見えない砂交じりの飲み水 ひそかにやってくるカビの対策が大切です。

家は快適に暮らすにとても大切なものです。皆さんそれぞれ事情はあると思いますが、今回の災害の復興は本当にエネルギーがいりますが、人に優しくは家に優しくにつながります。見えないカビや水に負けないように頑張りましょう。

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